JFE鋼板 建材総合カタログ
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133技術情報改修②技術情報 塗装亜鉛系めっき鋼板に使用されている塗料の多くは、ポリエステル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料などですが、その他、シリコンポリエステル樹脂塗料や塩化ビニル樹脂塗料、あるいはアクリル樹脂塗料を塗装したものがあります。これらには通常の塗り替え用塗料では密着性が十分でない場合や、塗料自身の耐久性などを考慮して塗り替え用塗料を選定します。各種塗料の特徴は次の通りです。(1)下塗り塗料 下塗り塗料は防食効果の主体をなすものであって、鉄鋼面に良好な付着性を有し、防食性能のために必要な膜厚を確保し得る塗料で、また適当な防錆顔料を配合して防食性能を向上させています。上塗りと比較して顔料の配合比率が高く、光沢・色彩などの外観的要因、耐候性などには大きな配慮を払わないことが多いです。①油性系 油性系の下塗り塗料には、さび止め顔料をボイル油またはワニス(長油性フタル酸樹脂ワニスが多く用いられる)に練り合わせて作ったさび止めペイントがあります。下地との密着性、防錆力を持たせるとともに上塗り塗料との密着性を高めています。最近はクロムを含むさび止め顔料に代えて、鉛・クロムを含まないさび止めペイントが上市され、使用されるようになりました。②変性エポキシ樹脂系 合成樹脂系下塗りの代表的商品で、通常2液形の塗料であり、付着性、耐薬品性に優れ、機械的強度も他の樹脂と比べて著しく優れています。(一方で、耐変色性、耐チョーキング性に劣ることから、屋外の上塗り塗料として使用されることはありません。)(2)上塗り塗料 上塗り塗料は外部の環境に直接さらされるので、使用条件により耐候性・耐水性など環境条件に耐える性能が必要であり、防食性物質の遮断性能に優れることや、美観の保持が必要な場合には色・光沢保持性などが求められます。①油性系 油性系塗料は顔料をボイル油と練り合わせた油性調合ペイントです。油性系塗料は乾燥が遅く、耐水性・耐アルカリ性が劣るなどの欠点もありますが、ハケ塗り作業性がよく、金属面・木材面に対する保護機能は、塗装条件によってあまり左右されないという利点があります。②フタル酸樹脂系 フタル酸樹脂系塗料は、顔料とフタル酸樹脂ワニスを練り合わせた塗料です。油性系塗料と比べ乾燥性や耐候性が優れて鉄部や木部に使用されています。③アクリル樹脂系 アクリル樹脂系塗料は、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの単独重合体あるいは共重合体樹脂をベースにした一液形塗料です。塗膜の硬さ、高光沢、乾燥性、耐候性などに特長がありますが、刷毛塗り作業性が少し劣ります。④ポリウレタン樹脂系 ポリウレタン樹脂系塗料は通常二液形塗料で、ポリエステルポリオール樹脂やアクリルポリオール樹脂を主体とした塗料ベースと、イソシアネートを主体とした硬化剤とから成り、使用前に一定比率に混合し使用します。イソシアネートは、耐候性の点から非黄変性のものが選択されます。特長としては、硬度、光沢、密着性、耐薬品性、耐候性が優れていることで、欠点としては二液形による使用時間の制約があり、ハケ塗り作業性が劣ることですが、最近では-液形のものもあります。⑤アクリルシリコン樹脂系 アクリルシリコン樹脂系塗料は、樹脂中にシロキサン結合(ガラス質の硬い結合)を持った塗料で、一般にはアクリルで変性されたアクリルシリコン樹脂系の塗料である。塗膜性状は、付着性、耐水性、耐薬品性に優れ、ポリウレタン樹脂系塗料より優れた耐候性を示し、塗料価格はポリウレタン樹脂系より高くフッ素樹脂系よりは低い塗料です。⑥フッ素樹脂系 フッ素樹脂系塗料は、通常2液形の塗料で、樹脂中のフッ素樹脂の強い結合力により、塗膜性状としては耐水性、耐薬品性、耐候性等に優れた塗料である。耐候性が非常に優れていることから洗浄・補修といったメンテナンスサイクルが長くLCC(ライフサイクルコスト)で優れている塗料ですが、塗料価格が他の塗料と比べて高い。 また、塗装鋼板用フッ素樹脂系塗料に配合しているニフッ化ビニリデン樹脂と同様な樹脂を使った一液形のフッ素樹脂系塗料も上市されており、この場合は下地のフッ素樹脂塗装鋼板との層間密着性は良好です。3.塗り替え用塗料(表3) 塗り替え用塗料の性能一覧表(注)◎優○良△やや劣る×劣る性能塗料系性燥乾性業作度硬性熟耐性耗磨耐性候耐性水耐性水塩耐性油耐性剤溶耐性酸耐性リカルア耐売販トスコCL較比C油性系塗料×◎△◎○×××△×××◎△フタル酸樹脂塗料○◎○◎○△△△◎○△×◎○アクリル樹脂塗料◎×○◎◎○○○◎○◎◎○○ポリウレタン樹脂塗料○△◎◎◎○◎◎◎◎◎◎△◎アクリルシリコン樹脂塗料○△◎◎◎○◎◎◎◎◎◎△◎フッ素樹脂塗料○△◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎×◎(参考文献)一般社団法人 日本鉄鋼連盟 建材技術・普及委員会「塗装亜鉛めっき鋼板 ご使用の手引き」平成26年2月改訂

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