Q&A
溶融亜鉛系めっき鋼板
耐食性に関するQ&A
- Q.
- 切断端面部の状態は、錆の発生に影響するのですか?
- A.
- 切断の仕方や、切断面をきれいにするなどの処理をおこなうとかえって錆の進行を早める結果となりますのでご注意ください。
通常の“上下シャーによる切断”の場合、端面部は、切断端部めっき層・塗膜の“かえり” により、断面の一部がカバーされた状態となり、これが防錆の効果を発揮します。
その効果は
ア)鋼板厚みが薄いほど、
イ)めっき量が多いほど、
ウ)塗膜厚みが厚いほど、 大 となります。
一方、回転シャーで切断した場合は、めっき層・塗膜の“かえり”は生じないため、防錆の効果は発現しません。
上下シャーによる切断面を、バリの除去と同時に清掃するとめっき層・塗膜の“かえり”部を除去してしまった場合には、防錆効果も激減してしまうことになりかねません。(参考)
①シャー切断における切断のメカニズム
②切断端部の断面観察例(SEM)
③シャー切断端面の状態観察(SEM)例
④シャー切断端面の元素分析(EDX)結果
めっき層の”かえり”で鉄地をカバー⇒防錆効果を発揮しやすい