5 施工1. 亜鉛系めっき鋼板を使用しての施工中、加工中に出た切り屑・ボルト類等を鋼板上に取り残したり放置したりすると、「もらい錆び」を生じることがありますので施工後、加工後はこれらを除去してください。2. 取付け金具には、銅、鉛およびその合金類、SUS430等のステンレスを亜鉛系めっき鋼板と直接接触させて使用しないでください。異種金属接触腐食により短期間で赤錆になる場合があります。(特に、塩害地区・積雪地域)この防止としては絶縁物(パッキン等)を入れる、片方を塗装する等の処理をお勧めします。[P27参照]3. 防腐防蟻処理(主として銅イオンを含む薬剤)した木材や合板と亜鉛系めっき鋼板を、直接接触させて使用しないでください。異種金属接触腐食により短期間で赤錆を発生させる場合があります。この防止としては、絶縁用下葺き(ブチルテープ等)等で、亜鉛系めっき鋼板との直接接触を防ぐことをお勧めします。[P27参照]4. 避雷針等で腐食が懸念される所は、絶縁テープ処理、またはアルミ線の使用をお願いします。5. 海岸からの距離が近い場所、有害なガスが噴出する火山地帯等の腐食環境地域においては、めっき層の腐食が進行しやすいことが知られています。また、海岸からの距離が同じであっても、地域によって飛来する塩分量は異なり、腐食に影響を与えます。また、地域差だけではなく、雨がかりする・しないによって付着塩分量は異なり、使用部位によっても耐久性は異なります。6. 工場や自動車の排気ガスに含まれる硫黄酸化物(SOX)、窒素酸化物(NOX)は、大気中で酸化等により硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)となり雨に混じります。また、季節風で海外から運ばれた硫黄酸化物等も雨に混じり、酸性雨、酸性雪となります。硫黄酸化物(SOX)沈着の例でいうと、国内の工場、自動車の排気ガスよりも海外起因による影響が圧倒的に大きく、また、その影響度も地域差があり、近年では、地球規模の環境変化も生じています。7. 水中や頻繁に流水の掛かるような部位では、安定した保護皮膜の形成がされにくくなるため、亜鉛めっきなどと比較したJFEエコガルの優位性が発揮できない場合がございます。このような用途での使用は避けていただくか、水濡れ防止カバーや、防止塗装での保護を推奨いたします。8. 材料の接合部や、凹部など水が溜まりやすい所では、腐食の進行が早くなります。この様な用途での使用は避けていただくか、防水塗装での保護をお願いします。9. 切断端面は、17ページにありますように赤錆が発生したあとに防食が始まりますので、赤くなることを防ぐ場合は、補修塗装[P25参照]をお願いします。6黒変(経時黒変性)1. 非合金タイプの溶融亜鉛めっき鋼板では、材料特有の黒変現象が起こることが知られています。また、同様に溶融亜鉛系合金めっき鋼板でも黒変が発生することがございます。これは素材メーカーに関係なく発生する現象ですが、弊社のJFEエコガルではマグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)を添加することにより、この変化を遅らせる改善をしております。2. 黒変は極表層の薄い酸化膜が光の屈折によって黒く見える現象で、一般的に高温多湿下で促進されます。これは亜鉛めっき表層の酸化現象であり、外観上黒く見えますが品質上の問題はございません。3. 黒変は酸化現象ですので、発生を遅らせるには水気や空気との遮断が有効です。例えば、材料に塗油することでも発生を遅らせることは可能です。黒変の進行については、鋼板のおかれている環境に大きく依存しますので、具体的な期間は設定できておりません。31
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