JFE鋼板 建材総合カタログ
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(図3)不均等荷重の例(図4)巻垂れ、氷柱など溶けにくい北地上積雪溶けやすい天空ふく射量による融雪吹きだまり乱流状態風吹きだまりの例巻垂れ雪・融雪・結氷を繰り返す地域 ・積雪量が多く根雪が圧雪状態になる地域・雪下ろし等の作業により圧雪されるとき・屋根形状、風向き等により雪だまり、吹きだまりとなる箇所・屋根の断熱性が異なる場所・雪下ろし等の不均等な場所 水雪氷塊巻垂れ氷柱2. その他の注意事項② 不均等荷重( X = 1.0 ~ 3.0 ) (図3)参照③ 雪庇・巻垂れ・氷柱(X=1.0~2.0)(図4)参照2-1. 積雪後に雨が降ることを考慮した積雪荷重の強化について(告示改正) ● 建築基準法において、建築物の構造計算を行うに当たっては、積雪による荷重を考慮することとしている。● 平成26年2月の大雪により、積雪後に降雨がある場合、大スパン・緩勾配の屋根には、これまで想定していた以上の荷重がかかることが判明。● 今般、このような屋根を持つ建築物について、積雪後の降雨を見込んで割り増した積雪荷重により構造計算を行うよう告示を改正。一定の建築物には、構造計算において用いる積雪荷重に、積雪後の降雨を考慮した割増係数を乗じることとする。<対象建築物> (以下のいずれにも該当するもの)● 多雪区域以外の区域にある建築物 (垂直積雪量が15cm以上の区域に限る) ● 以下の屋根を有する建築物  ・ 大スパン (棟から軒までの長さが10m以上)   ・ 緩勾配 (15度以下)   ・ 屋根重量が軽い (屋根板がRC造又はSRC造でないもの)※棟から軒までの長さ25m、勾配2度、垂直積雪量30cm(埼玉県等) の場合、約1.25倍の割増係数となる。参考 : 割増係数の算定式 ■公布:H30.1.15、施行:H31.1.15改訂内容2-2. レベル係数による荷重割り増し一般社団法人 日本金属屋根協会では、積雪荷重の割り増しを考慮すべき現象に対し、割り増しの係数としてレベル係数という考えを定めています。以下に主な現象とレベル係数を示します。① 積雪の単位荷重( X = 1.0 ~ 3.0 以上) 下記のような諸条件により30N/㎡~60N/㎡になることがあります。軒出し・はね出しなどの部位は片持ち梁として強度を検討する必要がありますが、それに加えて雪庇や巻垂れが発生しやすいので、十分な安全率を見込むようにします。④ 落雪(X=10~20) 下屋、庇、低層階屋根への上部階屋根からの落雪は極めて大きな荷重を発生させるため、衝撃荷重として扱います。⑤ 耐用年数、用途など(X=0.8~1.2) 特別に考慮を加える場合があります。設計者の指示・了解が必要です。● 上記①~⑤を総合的に考慮し、設計者からの特別な指示のない場合は、X = 1.2 としています。(参考文献) 一般社団法人 建築行政情報センター等 『2015年版 建築物の構造関係技術解説書』一般社団法人 日本金属屋根協会・技術委員会 『積雪荷重に関する考え方』(2006年11月号)一般社団法人 日本金属屋根協会等 『鋼板製屋根・外壁の設計・施工・保全の手引き (MSRW 2014)』屋根形状係数 × 垂直積雪量(単位:m) 屋根勾配と棟から軒までの長さに応じた値割増係数= 0.7 + 多雪区域以外の区域大スパン・緩勾配の屋根棟から軒までの長さ:10m以上屋根勾配:15 度以下138技術情報

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