各種性能について
遮熱性
遮熱性カラー鋼板は、特殊顔料採用等で、太陽光等に含まれる赤外線の反射率を高めており、屋根・壁にご使用いただいた場合、
- ①
- 鋼板の温度上昇を低減でき、屋内への伝熱量の低減およびヒートアイランド現象の抑制
- ②
- 断熱材の劣化抑制(寿命延長)
が期待されます。
太陽エネルギーのスペクトル分布

塗膜の遮熱性(日射反射率)

太陽光中には熱エネルギーに変換される赤外線が約50%含まれています
遮熱性塗膜のメカニズム

弊社における「遮熱性鋼板」と
「高日射反射鋼板」について

遮熱性(ラボ評価)
遮熱性ラボ評価方法

遮熱性比較:鋼板にランプを照射したときの到達温度

(注)上記温度差はラボ測定データであり、実環境の温度差を保証するものではございません。
遮熱性塗膜を用いたカラー鋼板のフィールド試験評価例(参考)

サンプル区分 | 裏打ち | 温度測定部 | |
---|---|---|---|
屋根 (表面) |
室内 (床上1m) |
||
通常塗膜カラー鋼板 | なし | 図A | 図B |
遮熱性塗膜カラー鋼板 | なし |
・場所:千葉市(JFE鋼板敷地内)
・測定日:平成12年8月(8時〜15時測定)
【図A】屋根表面温度(裏打ちなし)

【図B】室内表面温度(裏打ちなし、床上1m)

効果シミュレーションの例
遮熱性塗膜カラー鋼板と旧来塗膜カラー鋼板で屋根壁施工した際の断熱効果シミュレーションを、夏場の新潟県柏崎市を想定し行いました。下図左は室内空調なし、下図右は日中室内空調し室内温度を28℃に保持した場合のシミュレーション結果を示します。遮熱性塗膜カラー鋼板を用いることで夏場の空調エネルギーを約15%低減できることが算出されました。
〈計算結果〉 | |
---|---|
屋根・壁に用いる | 空調(強制排出) |
カラー鋼板 | エネルギー量[MJ(メガジュール)] ※1日の総計 |
①あおいろ(通常塗膜カラー鋼板) | 10,189(MJ/日) 20,378(円/日) |
②Tあおいろ(遮熱性塗膜カラー鋼板) | 8,576(MJ/日) 17,152(円/日) |
⬇ | |
電気換算(2.0円/MJ) |

空調なし

空調あり
※10:00〜17:00の間(7時間)、空調にて屋内室温を28°Cにキープ。

耐酸性
日本各地の雨のpH測定結果

測定の結果、太平洋側より日本海 側の方がpHが低く、硫酸イオン 沈着量が多い(中国大陸の影響) ことがわかります。
近年では、酸性雨の影響が日本 全体に及びつつあるとされています。
[環境省地球環境部酸性雨-地球の行方-(1997)より]
酸性雨生成のメカニズム

酸性雨による塗膜の損傷
酸性雨による塗膜損傷のメカニズム

55%Al-Zn合金めっき下地カラーの硫酸スポット試験結果(参考)

耐アルカリ性
10%アンモニア水浸漬試験

耐疵付き性
テーバー磨耗試験
試験方法:JIS K 6902 [CS-10、1kg-1000回転]
摩耗輪による塗膜のはがれを確認します。


9H鉛筆疵付き試験
9H鉛筆に荷重を加え、疵付性を確認します。


(例)スタンダードカラーでは300gで、耐疵付き性付与カラー鋼板では1,000gで入っております。
摺動性試験
荷重をかけた試料で滑性と耐摩耗性を確認します。


(例)スタンダードカラーでは疵が見られ、耐疵付き性付与カラー鋼板では疵は見られません。
耐汚染性(雨ダレ汚染の防止)
弊社のカラー鋼板で耐汚染機能を付与しているものは表層の親水化によるセルフクリーニング機能を有し、空気中の水分で加水分解されることで表層に親水基が生成され、耐汚染機能が得られます。
親水化した塗膜上では壁面と汚れの間に水が入り込み、汚れを洗い流すことにより雨ダレ汚れがつきにくくなります。

耐汚染性能発現のメカニズム

雨ダレ汚染防止のメカニズム

親水性が高い塗膜は耐汚染性に優れます。また親水性は水接触角で表わすことができます。
耐汚染仕様のカラー鋼板の水接触角は一般のカラー鋼板と比べ初期から低く、経時で更に親水化が進行し、優れた雨ダレ汚染防止性能を有しています。
水接触角イメージ

暴露試験での水接触角の変化

雨ダレ汚染性評価結果
