ガルフレックス® オプション仕様

*「ガルフレックス」はJFE鋼板㈱の登録商標です。

ガルフレックス®開発秘話

 1953年、JFE鋼板は日本で初めてカラー鋼板を製造販売いたしました。1993年には、塗装溶融55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板「JFE カラーGL」を販売開始し、屋根・壁用途を中心とした建材分野で長年の実績を積み上げてきました。
 さらに2001年より、その「JFE カラーGL」に、格段に加工性を高めた「ガルフレックス®」仕様を、品質要望の厳しい北海道地区(現行商品:Jクラフト和み-FIT® GL)、高い加工度を要望される用途などで販売し、お客様から高い評価をいただいております。
 溶融55%Al-Znめっき層は、約55重量%のアルミニウム、約43.4重量%の亜鉛と約1.6重量%のシリコンからなり、アルミリッチ相と亜鉛リッチ相の網目状組織を形成しております。このめっき層は耐食性は高いが、硬くて曲げ加工等で表層にクラックが入る場合があります。「ガルフレックス®」仕様は独自の技術により、その加工部の耐久性を向上させる優れた品質性能を有します
 「ガルフレックス®」という名称は、溶融亜鉛めっきを意味する「Galvanize」に、柔軟を意味する「Flexible」を組み合わせ、お客様が使いやすい商品にという想いを乗せて名付けました。

ガルフレックス®仕様によって進化したポイント

ガルフレックス®とは

ガルフレックス®とは、塗装溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板(以下、カラーGL)に独自技術を施すことでめっき層を軟らかくし、加工性を高めることができる仕様です。

ガルフレックス仕様によって進化したポイント

1ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

一般的なカラーGLとガルフレックス®仕様カラーGLで加工性を比較

〈1〉曲げ加工部表面視野 *ガルフレックス®の曲げ加工性評価/表面

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

白く見えるのがクラックです。
最大伸び率が大きいほどクラックが入りやすい傾向です。
最も厳しい2Tで比較しても、ガルフレックス®仕様の方がクラックが少ないことがわかります。

〈2〉曲げ加工部断面図(電子顕微鏡) *ガルフレックス®の曲げ加工性評価/断面SEM

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

曲げ加工部の断面図を電子顕微鏡で拡大しています。
ガルフレックス®仕様では4Tでもめっき層にクラックが入っていません。
ガルフレックス®仕様の方がめっき層への影響が少ないことがわかります。

〈3〉曲げ加工度とクラック発生面積率の関係

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

曲げ加工における割れ発生面積率のグラフです。横軸の数字が小さい0Tが最も厳しい加工です。面積率が小さいほどクラックが少ないことを示しています。

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

2ガルフレックス®仕様の加工部耐食性

一般的なカラーGLとガルフレックス®仕様カラーGLで加工部の耐食性を比較

〈1〉曲げ加工部CCT複合サイクル試験白錆発生表面視野
*ガルフレックス®の曲げ加工部耐食性/CCT複合サイクル試験240サイクル後

ガルフレックス®仕様の加工部の耐食性

白く見えるのが錆の発生している部分です。
最大伸び率が大きいほどクラックが多く、錆が発生しやすくなります。
ガルフレックス®仕様の方が白錆が少なく、耐食性が優れることがわかります。

〈2〉曲げ加工部CCT複合サイクル試験白錆発生面積率

ガルフレックス®仕様の加工部の耐食性

4T曲げ加工部におけるCCT試験時間と白錆発生面積率の関係をグラフにしたものです。
横軸が時間経過を示しており、ガルフレックス®仕様の方が白錆発生が遅く、また発生面積も少ないことがわかります。

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

〈3〉曲げ加工部 暴露試験白錆発生表面視野

暴露地:千葉市中央区 工場地帯 曲げ部上向き南面傾斜暴露
暴露期間:2018年~2023年 5年間

ガルフレックス®仕様の加工部の耐食性

これはJFE鋼板における保証対象外の厳しい屋外環境での暴露試験の経過です。
白く見えるのが錆です。ガルフレックス®仕様は錆もなく、状態が良好であることを示しています

ガルフレックス®仕様の加工部の耐食性

3ガルフレックス®仕様の板金作業による優位性

広大な大地を持つ北海道では、季節、地域によって多様で過酷な自然条件にさらされます。特に積雪と寒冷の厳しい冬季は、「すが漏れ」という昼間に溶けた雪が夜間の低温により軒先で凍り、水の流れをせき止め、隙間から室内に侵入するという事故が発生する事があります。
※「すが」とは北国の方言で「氷」の事です。
そのような環境では、立平・蟻掛といった長尺金属屋根が最適で、さらに軒先部は複雑な加工が施されます。ガルフレックス®仕様は、このような複雑な加工にも適し、雨漏りのしにくい屋根に施工できます

ガルフレックス®仕様の板金作業による優位性

ガルフレックス®仕様は厳しい加工が必要な北海道のお客様に認められ、現在JFE鋼板が北海道で販売している住宅向けのカラー鋼板の全てがガルフレックス®仕様です。厳しい環境で20年以上お使いいただいてきた実績のあるJFE鋼板独自の技術です。

ガルフレックス®仕様の板金

ガルフレックス®仕様鋼板の破断試験

ガルフレックス®仕様の板金
ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

平らな鋼板を180度曲げ、戻し、更に反対の180度に曲げることを繰り返して、鋼板が破断(鋼板が切れる)するまでの回数を試験したものです。
破断するまでの回数が多いほど加工性に優れています。一般のカラーGLは5~6回で破断するのに対し、ガルフレックス®仕様のカラーGLでは17~18回で破断しています。

ガルフレックス®仕様の曲げ加工性

ガルフレックス®仕様 製品ラインナップ・製造可能範囲

充実した製品ラインナップ

国内初となるフッ素系クロメートフリー鋼板「極み-フッ素® GL」が誕生し、Jクラフト®シリーズのフルラインナップが完成しました。

Jクラフト®シリーズの保証年数

商品名 保証年数(海岸500m 以遠※1)
穴あき 塗膜(塗膜のふくれ・われ・はがれ) 塗膜変褪色※2
和み-FIT® GL
25年保証

対象外

対象外
極み-MAX®
25年保証

15年保証

15年保証(限定10色)
極み-MEGA®
25年保証

20年保証

15年保証(限定3色)
極み-フッ素® GL
25年保証

20年保証

20年保証(全色)

※1. 保証には申請が必要ですので、当社営業窓口または特約店にお問い合わせください。保証には別途保証条件があります。
※2. 著しい変色や褪色がないこと。

製造可能範囲

ガルフレックス®仕様の製造可能範囲

加工度要求レベルが高い薄物を主な対象と考えておりますが、詳細は弊社営業にご相談ください。